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[2005/12/20] 平成17年度徳島大学歯学部同窓会香川県支部学術講演会 2期生 永峰伸一
平成17年11月19日18時半よりホテルクレメント高松にて学術講演会を行いました。香川県支部では毎年この時期に徳島大学歯学部より講師をお招きし講演会を開いています。今年は、小児口腔健康学分野の西野瑞穂教授お招きして、「小児歯科up
to date-食育、小児科医との考え方の統一、児童虐待 他― 」の演題でご講演をして頂きました。
少し講演内容について書きます。今年、食育基本法が制定されましたが、その食育の話がありました。冷凍食品やジャンクフードの普及や家庭が食事のしつけを疎かにするため、子供の食生活は乱れています。そのため子供の脳が蝕まれ暴力的な行動を起こしやすくなっています。食育基本法は、食育を、知育、徳育、体育に並ぶ重要な教育と位置づけています。西野教授は、食育とは、生涯に亘る全ライフステージを健康に生き抜くための食生活の自立と自律の知識と技能の基本を身につけさせることと定義しています。食生活の自立とは、自分で、哺乳・離乳食・普通食への順調な発達、咀嚼機能の順調な発達、食事マナーの修得。食生活の自律とは、誰に言われなくてもできる力がある、食事の規則性、偏食をしない、生活習慣病の予防のための食事を選択できることです。この食育を法律を制定して積極的に推進していくということです。
児童虐待は年々増える傾向にあります。歯科医師としては日々診療で虐待を疑ったり、発見したときは、市町村の児童相談窓口、県の福祉事務所または児童相談所への通告義務があります。その通告義務は守秘義務に優先し、通告者の判断責任は問われないとのことです。すなわち通告しても歯科医師として不利益を被らないということです。児童虐待を受けている児童は、口腔内の齲歯が多く歯牙に外傷を受けているときがあります。もちろん身体の外傷の痕も歯科医師として確認する必要があるとのことでした。今回のご講演は20年以上前の学生時代の西野教授の小児歯科の講義とは全く違う、まさにup to dateな小児歯科のご講演で、斬新に感じ、これからの小児歯科治療 は齲歯
だけ治療していくだけでは取り残されるのではと痛感しました。
最後に、西野教授から、退官後は、モンゴルでボランティアで小児歯科医療活動や小児歯科教育を行うとの将来への決意新たなお話もあり、会場の皆さんは感銘を受けました。
今回、初めて、香川県支部より、香川県歯科医師会・香川県歯科衛生士会に西野教授の講演会のご案内を差し上げたところ、山下喜世弘会長・井上 悟副会長をはじめ多くの歯科医師会の会員の先生、歯科衛生士会からは阪根玲子会長をはじめ多くの歯科衛生士さんにご出席頂きました。総勢約80名の出席者があり盛況な講演会を開くことができました。香川県歯科医師会・歯科衛生士会に香川県支部のお披露目もできました。
講演会の後は、山下会長・井上副会長にもご出席頂き、西野教授を囲んで懇親会を開きました。めでたく香川県歯科医師会へ新規入会開業した先生や、近々入会する先生が紹介され、時を忘れて和気あいあいと宴を遅くまで開くことができました。
西野教授には、多忙の中、遠路、高松までお越し頂きご講演頂きありがとうございました。今後のご活躍を、同窓会香川県支部の会員一同でお祈り申し上げております。